デジタルイラストレーションWEB講座

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グラデーションメッシュ

グラデーションの豊富な絵は、リアルに見える。

鉛筆を寝かせて腹で描き、指もしくは擦筆でこする。
木炭を斜めに削って寝かせて描き、指や布で広げる
水墨画も水彩画も、水を利用して絵の具を広げる
要はグラデーションを作り出すのが目的だ。

古来よりさまざまな画材が求められてきたが
最もリアルな表現が可能とされているのは
油絵具と言われている。
これは乾燥が遅いので、階調の調整が容易だからである。

油絵の場合は、溶き油で薄めてグラデーションを作り出すのではなく
明色の地色に暗色を重ねたり、暗色の地に明色を重ねたりと
絵の具のブレンドで、グラデーションを作り出すのが正しい使い方だ。
(illustratorのブレンドに近い)

CGによるグラデーションは、
計算によって作られるため、
正確さはアナログの絵の具の比ではない。
グラデーションに関しても、CGは最高の絵の具足り得るはずなのだが
アナログの絵の具と同じような手法だけで、
グラデーションを作者の意図の通りにコントロールする方法が、
残念ながら、まだ確立されていないのである。

水平・垂直・斜めにと一方向に流れる、直線的グラデーション。
円の中心から、波紋のように広がる円形グラデーション。
形状が外側や内側に広がるグラデーション。
と、
単純な流れのグラデーションが、用意されているだけ・だった。

だった・というのは、
illustratorバージョン8から「グラデーションメッシュ」という
画期的なグラデーションの機能が搭載されたからである。

任意の形状の色面を
グラデーションメッシュツールでクリックすると、
クリックしたポイントで色面がメッシュ状に分割され、
そのポイントに選択色を滲ませたようなグラデーションが出来上がる。

メッシュの交点が、それぞれの色情報を持ち、
互いのポイントに対してのグラデーションを作るのである。 
これらのメッシュは、ポイントの位置調整が可能なため、
細かいメッシュを作り計画的な色配分をすれば、
1個の色面だけで複雑な描画が可能になる。 
一方向だけでないグラデーションも作れるのである。

グラデーションの形状や色の変更調整が自由自在で、
拡大縮小しても画像品位が落ちることは無い。
しかも、複雑でありながらデータの容量は、小さくて済むのである。
グラデーションメッシュには、
これまでのアナログ的方法論からだけでは予想のつかない表現の可能性があると言える。

グラデーションメッシュの用法について、メーカーからの提示は、簡単なものである。
個人的にグラデーションメッシュの効果的な用法を研究してみたが、
なかなか思うようには行かない、 まだ開発途上のツールでもある。

たとえば、不定形の囲みの中に色の参照点となる縦横のラインを
あらかじめ描いておいてからクリックすると、それらがまとまってグラデーションメッシュになる・・・とか。
メッシュの交点、それぞれの張力をまとめて緊張させたり、緩和させたり自由に出来るとか。
透明度を変えられるとか・・・
グラデーションメッシュへの要望が、いろいろ浮かんでくる。
プログラマーならグラデーションメッシュに組み込めるに違いない機能を、
ユーザーの方から提案して行くことで、ツールとしての完成度は高まって行くのだ。 
(しかし、最近はリクエストの窓口が判らないのが問題だ)

日本のグラデーションメッシュの使い手やユーザーグループが、
写真と見紛うばかりの作品を多数作り出し、HPで発表したり
そのノウハウを本にして出版している。是非、参考にすべきだ。

写真の上に矩形を描き、その矩形をグラデーションメッシュに変換する。
メッシュを出来る限り細かく取って行き、
写真から色をスポイトすれば、写真と変わらぬ、リアルな表現が可能になる。
(メッシュの数を、縦横のドット数と同じにすれば、完全なコピーである)
そうして出来上がるのは写真のコピーのにすぎない、
とてつもなく労力がかかるばかりで、作業する意味が無いことになる。
しかし、グラデーションメッシュの、メッシュポイントを置く位置や、
流れを考えながら作成すると、
単純なメッシュでも、写真のようにリアルでありながら、
写真とは一味違った説得力のある画像を作り出せる。
それが、グラデーションメッシュの魅力でもある。

デジカメで写真を撮って、グラデーションメッシュでトレースする。
それも、良いけれど、目的はデジタルイラスト・描くことだ。
では、グラデーションメッシュを描画ツールとして使いこなすための探求を始めよう。

さて
グラデーションメッシュを使いこなして行くためのポイントのひとつは
色の塗り分けには、2つのラインが必要である・というところにある。

これを踏まえて、リアル描写にグラデーションメッシュを活用するべく
メッシュでデッサンをやってみよう。
セザンヌの「自然は 球、円柱、円錐に還元できる」という言葉に従って、
進める予定だが、まずは単純な立方体を描いてみる。
次は、円柱だ
平面の傾きから出来るグラデーションよりも
曲面の作るグラデーションの方が、グラデーションメッシュ向きである
ことは言うまでもない。

ところで、グラデーションメッシュのメッシュは、
水平と垂直の直線方向の格子で出来ている。
今のところ円形グラデーションメッシュは存在しない。
円を描いて中心をグラデーションメッシュツールでクリックするか、
円を選択してグラデーションメッシュに変換する等の方法で、
擬似的な円形グラデーションメッシュを作る事は出来るが、
外形が円状になっているだけなので、
中心以外にもうひとつ色を置くと、望ましい色の流れにはならない。
球体を描くことは多々あるので、
真正の円形グラデーションメッシュの必要性は大きい、
次期バージョンには、プログラムに搭載してもらいたいものだ。
 
矩形を環状に変形して、
円状のグラデーションメッシュを無理やりだが作ることが出来る。
つなぎ目以外では、望ましい色の流れを得られる。
ドーナッツ型を切断したものを、
グラデーションメッシュに変換して作ることも出来るが、
すこし面倒だ。

簡単な方法は。 
円を描いて、円形グラデーションで塗る。
これを選択して「分解・拡張」を実行し
グラデーションの分解・拡張>グラデーションメッシュの
ラジオボタンを選択して「OK」する。
レイヤーウィンドウのレイヤーを開いて
グループの中から「メッシュ」を取り出す。
クリッピングパスのマスクが外れて一回り大きくなるが、
円状のグラデーションメッシュになっているので、
必要に合わせて拡大縮小して使えば良い。

円形グラデーションメッシュでの描法は、
トーンの流れを留めないように、グラデーションメッシュから
色をスポイトで取り込んで調整すると良い。

cube cylinder ball
グラデーションメッシュによる 立方体 のイラストレーターDATA(Ver.9)をダウンロードする。 グラデーションメッシュによる 円柱 のイラストレーターDATA(Ver.9)をダウンロードする。 グラデーションメッシュによる 球 のイラストレーターDATA(Ver.9)をダウンロードする。
compare
各種、円形グラデーションメッシュでの描法見本のDATA(Ver.9)をダウンロードする。

つづく

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